「仕事中に集中力が切れる」「最近、物忘れが増えた気がする」。そんな悩みを抱える中で「クレアチンが脳に良い」といった噂を聞いたことはありませんか?
クレアチンは「筋トレのためのサプリ」というイメージがありますが、実は最新の研究において、脳のエネルギー代謝に関わり、記憶力や認知機能の維持・サポートに寄与する可能性が報告されています。
本記事では、管理栄養士の視点から、科学的根拠に基づいたクレアチンの脳への効果、正しい飲み方、仕事や勉強への活用法について解説します。
クレアチンが脳にも存在する理由
クレアチンは体内で約95%が筋肉に存在し、残りの約5%は脳や神経組織に貯蔵されています(1)(2)。
脳は体重のわずか2%ほどの重さしかないですが、全身のエネルギー量の約20%を消費する重要な臓器です(3)。
この大量のエネルギー消費を支えるために、クレアチンは欠かせない物質とされています。
①不足時に素早いエネルギー供給を行うため
脳の活動に、主要なエネルギー源として使われるのが、ATP(アデノシン三リン酸)です。しかし、脳は多くのATPを貯めておくことができません(4)。
体内では、クレアチンがリン酸と結合し「クレアチンリン酸」として存在します(1)。
そして、ATPが消費されたときにリン酸をクレアチンリン酸に渡して再合成する仕組みを「クレアチンリン酸系」と言います(1)(5)。
このクレアチンリン酸系は、一つの酵素反応で進むため、ほかの経路からのATP再合成より早くクレアチンが生成され、脳はエネルギー不足を起こさずに活動できるのです(4)(5)。
②必要な場所へエネルギーを効率よく運ぶため
クレアチンは、細胞内にあるミトコンドリアから作られたエネルギー源(ATP)を、実際にエネルギーが使われる場所まで運ぶ役割を担っています(1)。 ATPは「クレアチンキナーゼ」という酵素の力を借りて「クレアチンリン酸」に変化し、必要な場所へエネルギーを素早く届けることができます(1)。
③食事からの摂取に限界があるため
クレアチンは体内でも合成される成分です。しかし、脳で多くのエネルギーが使われるため、それだけではクレアチンの需要を満たせない可能性があります。
例えば、脳への効果が期待される5gのクレアチンを摂取しようとすると、毎日肉を1kg以上食べる計算になります(1)(13)。
これだけの量を日々摂取することは、現実的ではありません。
現在の研究では、クレアチンの前駆体であるGAA(グアニジノ酢酸)を食事から摂取し、サプリメントを補助的に活用するほうが、従来のクレアチン摂取より脳のクレアチン含有量を増加させるという研究結果が示されています(1)。 ちなみに、GAA(グアニジノ酢酸)は鶏肉や豚肉などに含まれています(14)。
クレアチンが脳に与える5つの効果
クレアチンの摂取によって期待される、脳へのメリットを5つ紹介します。
認知機能・処理速度の維持
複雑な計算や論理的な思考など、短時間に高い負荷がかかる作業において、脳のパフォーマンスを維持する可能性が示されています。
2003年のシドニー大学の研究では、クレアチンの摂取によって、連続計算における精神的疲労を軽減する働きが報告されています(4)。
これは脳のエネルギー代謝がサポートされ、情報の処理スピードが低下しにくくなったためだと考えられます。
この働きは、普段からマルチタスクをこなす社会人や長時間の試験に挑む学生の方にも取り入れてほしい活用法です。
脳のエネルギー不足を回避し、本来の力を最後まで出し切るためのお守りとして活用できるでしょう。
記憶力への効果・サポート
クレアチンの摂取では、短期記憶や作業記憶へのポジティブな影響が複数報告されています。
2003年のシドニー大学の研究では、6週間の継続的摂取によって、認知機能検査と作業記憶課題の成績が有意に変化したという結果が出ています(4)。
精神的疲労・脳内のエネルギー不足へのアプローチ
クレアチンの補給は、精神的疲労を感じやすいシーンでのエネルギー生成に役立つ可能性が期待されています(1)。
脳へのエネルギー供給が安定すると疲労感を感じにくくなり、作業への持久力が維持される可能性が考えられます。
睡眠不足時の認知パフォーマンス維持
睡眠不足の状態では、脳のエネルギー代謝が低下します。
ある研究では、24時間の睡眠不足下において、クレアチンを摂取したグループで認知機能や精神運動パフォーマンス、気分状態への悪影響が抑えられたとの報告があります(6)(7)。
しかし、上記の内容はクレアチンの補給によるものと断定はできず、あくまで補助的な役割としての可能性が報告されています(7)。
メンタルバランスへの影響
一部の研究では、抗うつ薬のサポートとしてクレアチンとの併用が期待されています(1)。
これらは良好なコンデイションの維持を助ける補助的な役割が考えられ、自己判断での利用は控えて、必ず医師に相談してから使ってください(8)。
脳への効果はいつから出る?
脳には「血液脳関門」というバリア機能があり、クレアチン蓄積に関しては、筋肉より時間がかかるとの見解も報告されています(10)。
血液脳関門とは、血液と脳組織との間で必要な物質を輸送し、血液からの病原体や有害物質の侵入を防ぐ仕組みのことです(9)。
さらに持続的なストレスを感じている場合は、血液脳関門の機能低下によって、クレアチンの脳内濃度が高まるまでにさらに時間がかかる可能性も示されています(9)。
既往歴がある方や現在処方されている薬がある方で、脳機能へのアプローチを目的に摂取する場合は、必ず主治医に相談してから取り入れましょう(1)。
長期的なサポートには6週間が一つの目安
健康な方が日常的な認知機能の維持を目的とする場合、6週間程度の継続摂取が一つの目安です(4)(10)。
脳内のクレアチン濃度を飽和させるためには、一定期間、多くのクレアチンを摂取し続けることが大切です(1)(4)。
急なストレス対応には短期摂取でも期待
国際スポーツ栄養学会(ISSN)のガイドラインでは、筋肉のためのクレアチン摂取は1日3〜5gが推奨されています(1)。
一方で、脳のパフォーマンス維持を目的とした研究では、1日5〜10g程度の摂取量がよく用いられています(6)。
これは先ほど紹介した、血管脳関門の仕組みによるものや持続的なストレスによって、筋肉維持のための摂取量では不十分な可能性があるためです。
研究によっては、1日20gのクレアチン摂取を行っている場合もありますが、個人の体質によって下痢などのリスクも考えられるため、まずは5〜10gを目安に取り入れてみましょう(11)。
タイミングは食事中や運動後・朝がおすすめ
クレアチン摂取は、以下のタイミングがおすすめです。
ご自身のライフスタイルに応じて取り入れやすい方法から試してみましょう。
| おすすめのタイミング | 理由・メリット |
|---|---|
| 食事中・食後 | 炭水化物やたんぱく質との摂取によって、取り込まれやすくなる可能性がある(1) |
| 運動後 | 血流が良くなるタイミングでの摂取は、吸収がスムーズになる可能性がある |
| 朝起きたとき | 脳が活動を開始するタイミングでの補給は習慣化しやすい |
クレアチンの取り込みは、血漿濃度が一度上昇した後に下がる過程で、目的の組織に入りやすくなる見解が示されています(1)。
※あわせて読みたい:クレアチンの吸収を高める飲み合わせについて知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。

効率重視の方はLEVEL.FITクレアルカリンを試してみよう
仕事中の脳のパフォーマンス維持を大切にしたい社会人、試験前の学生にとって、毎日のクレアチン摂取はとても手間に感じられるものです。
また、従来のクレアチンでは、その一部が「クレアチニン」に変化し、吸収効率が落ちる可能性もありました。
そこで効率を重視したい方におすすめなのが、LEVEL.FITのクレアルカリンカプセルです。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| pHをアルカリ性に調整済み | 胃酸に強く、少量でも効率的に届きやすい |
| カプセルタイプで計量いらず | 外出先や仕事中でもサッと手軽に飲める |
| ローディング不要 | 飲み始めでもお腹を下しにくく、初めての方も継続しやすい |
クレアルカリンは胃酸の影響を受けにくく、少量でも届きやすいのが特徴です。
忙しい朝や仕事中、外出先でも水さえあれば摂取ができ、ローディング不要のため、飲み始めたときの負担が少なく感じるのが長所です。
仕事の効率や勉強のための集中力を維持したいという場合、一つの選択肢としてクレアルカリンの摂取を視野に入れてみてください。
よくある質問 (FAQ)
クレアチン摂取に関するよくある質問について回答します。
クレアチンで本当に頭が良くなりますか?
脳のエネルギー不足によるパフォーマンスの低下を抑えて、本来持っている力を最後まで発揮しやすくするというイメージです(4)。
頭がよくなるといった成分ではありません。
脳への効果を目的とする場合、筋トレしなくても飲んでいいですか?
.問題ありません。近年は、運動習慣の有無に関わらず、精神的疲労や作業記憶・処理速度の維持を目的とした摂取が、少しずつ一般的な選択肢として広がっていく可能性があります(1)。
何グラム飲めば脳への効果が期待できますか?
研究ベースでは、1日5〜10gの摂取量が用いられていることが多いです(2)。
脳への取り込みは時間がかかるとも考えられ、筋肉のための推奨量(3g)より少し多めの量を検討してみましょう(1)。
子供や高齢者が脳のために飲んでも安全ですか?
高齢者には、記憶力の維持やフレイル予防のサポートが期待されています。
子供については、成長期における長期摂取の安全性が十分に確立されていないという側面もあるため、食事からの摂取を基本とし、サプリメント使用の際は医師に確認してください(1)。
クレアチンとカフェインを一緒に飲むと脳への効果に影響しますか?
脳への影響は不明です。筋肉への影響では、クレアチンとカフェインの摂取は短期間の場合、互いに悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられています(12)。
ただし、慢性的な併用は間接的に胃腸障害を悪化させるリスクがあるため、一緒に飲むことは控えたほうがよさそうです(12)。
まとめ
今回はクレアチンの脳への効果について紹介しました。重要なポイントは以下の4つです。
- クレアチンは脳のエネルギー供給を支援する役割を持ち、緊急時のエネルギー不足を防ぐことが期待される。
- 記憶力・集中力、睡眠不足時のパフォーマンス維持に寄与する可能性がある。
- 脳への効果を期待する際、1日5〜10gのクレアチンを6週間程度、継続して摂取することが一つの目安。
- クレアチンを効率よく手軽に摂取したい場合、クレアチン・モノハイドレートよりもクレアルカリンを選ぶ選択肢もおすすめ。
(1)ISSN Position Stand: Safety and efficacy of creatine supplementation. J Int Soc Sports Nutr. 2017.
(2)Rogers ME, Bohlken RM, Beets MW, et al: Effects of creatine, ginseng, and astragalus supplementation on strength, body composition, mood, and blood lipids during strength-training in older adults. J Sports Sci Med. 2006; 5(1): 60-69.
(3)E. Dolan, et al. Beyond muscle: the effects of creatine supplementation on brain creatine, cognitive processing, and traumatic brain injury. Eur J Sport Sci 2019, 19:1-14.
(4)Rae C, et al. Oral creatine monohydrate supplementation improves brain performance.Proc R Soc Lond B Biol Sci. 2003;270(1529):2147-2150.
(5)独立行政法人農畜産業振興機構 運動時のエネルギー代謝と糖質制限食
(6)Avgerinos KI, et al. Effects of creatine supplementation on cognitive function of healthy individuals. Exp Gerontol. 2018;108:166-173.
(7)T.McMorris, et al. Creatine supplementation, sleep deprivation, cortisol, melatonin and behavior. Physiology & Behavior. 2007;90(1):21-28.
(8)Suzana Roitman Creatine monohydrate in resistant depression: a preliminary study. Bipolar Disorders. 2007;9:754-758.
(9)国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター「持続的なストレスによって血液脳関門の機能が低下する新たなメカニズムを発見~うつ病などのストレス性精神疾患の新たな治療法の開発へ~」
(10)Rawson ES & Venezia AC. Use of creatine in the elderly and evidence for effects on
cognitive function in young and old. Amino Acids. 2011;40(5):1349-1362.
(11)ISSN.Common questions and misconceptions about creatine supplementation: what does the scientific evidence really show?. J Int Soc SportsNutr. 2021;18(13).
(12)Jose Antoniot, et al.Part II. Common questions and misconceptions about creatine supplementation: what does the scientific evidence really show?. J Int Soc Sports Nutr. 2025;22(1).
(13)Christopher Rasmussen, et al. Nutritional Supplements for Endurance Athletes. Nutritional Supplements in Sports and Exercise . 2008:369-407.
(14)農林水産省|飼料添加物の基準の見直し(グアニジノ酢酸の対象飼料拡大および添加上限量の引き上げ)



